2016/08/16(Tue)
■ 宇野朴人『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(電撃文庫)

アニメ観てとりあえず1巻だけ読んだ。もう10巻も出てるようだ。
銀英伝の要素をちゃんと咀嚼した上で差別化まで考えてあるという感じで、銀英伝の影響の大きさを考えればこういうのが(今じゃなくて過去にも)もっとたくさんあっておかしくないのになあ、と改めて不思議に思った。書きたくても(戦記ものっぽい部分は)素人が簡単に真似できるジャンルではないのと、単に当たったものが少ないので私が知らないだけかもしれない。
要約すると「戦争好きじゃないラインハルトがヤンと手を組んで帝国を乗っ取る話。で、共和国との戦争に適当な敗戦でケリを着けて(進歩的な相手国の影響を受けることで)国を改革するのが最終目的。理由はこのままじゃ帝国がダメになっちゃうから。ついでにキルヒアイスはヤンの幼馴染」という感じか。軍人になりたくなかった主人公が非常事態において軍事的才能を発揮してしまい不本意ながら軍で出世していく、ていうノリはまんまヤン。でも怠惰を美徳とする以外に女好きだったりやたら辛辣だったり性格はいわばシェーンコップが入っててちゃんとヒネってはある。「敗戦が目的」というのも突飛ではあるがこの作品のオリジナリティとしてヒネった部分だろう。
でも1巻を書いた時点では作者は大学生だったとのことなので、そんな若い人がなんでこんなコテコテの銀英伝なんだろう……とは疑問に思った(笑。 直接の言及はないがヒロインが金髪と赤毛なのは明らかに銀英伝オマージュであろう。あくまで1巻を読んだだけなのでこの時点での感想は「銀英伝ベースで適度にヒネりを加えてちゃんと仕上げたなあ」というもので、ある意味あまり褒めてないともいえるが、この先は他の要素が強く出てくるのかなあ。現時点ではアニメが面白ければ続き読むかも、くらい。
というのもタイトルにある「精霊」が四大元素(?)を司る妖精ライクな小さい生き物として登場するもののマスコットという感じでもないし今のところ存在意義がよくわからない。軍人には必ずパートナーの精霊が付くのだが、銃が風の精霊の力を使った空気銃、という程度。ただ、主人公の師がまだこの世界では学問として認められていない「科学」の徒であり、精霊は古代文明による人工生命ではないか? という仮説を立てたりしてるので(精霊はチップの様な魂の部分を身体から分離できるといういかにもな描写)、SFっぽい設定に着地を考えてるのかもしれない。そう考えるとストーリーもダメになった末期の帝国をソフトランディングさせる話、という意味ではむしろアシモフのファウンデーションなのかもしれない。主人公の師匠が異郷にいる科学者というのもちょっとそれっぽい。考えすぎかもしれない。繰り返すが既刊10巻なのに1巻だけ読んであれこれ予想しててもしょうがないすね。
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